母はひとりでいるのが苦手だ。
もちろん見守りが必要という意味もあるが、言葉通り、不安でひとりではいられないのだ。
むかしから、心配性の怖がりだった。
認知症になると、不安感がだんだん強くなった。
留守番してもらうのが、かなり難しくなった。
玄関まで来てしまうのだ。
父が一緒でも関係ない。
父は一日中ほとんど寝てる。
もし起きていても変わらないだろう。
私が自分の部屋にいても、不安になれば何度も部屋までくる。
一緒にいても、「何かこわくない?」と聞いてくる。
認知症に不安はよくない。
他に気が紛れることがあればいいのだが、目もほとんど見えなくなり、テレビも見なくなった。
部屋に孫やひ孫の写真をたくさん貼ってあるが、それもだんだん目に入らなくなってきた。
誰かと一緒にいることでしか、不安は解消されないのだろうか?
その誰かも誰でも言い訳ではないだろう。
なるべく穏やかな気持ちでいて欲しいと思うが、なかなか難しい。