父が亡くなってもう3ヶ月になる。
食は細い方だったが、美味しいものを食べるのを楽しみにしていた。
特にお寿司と鰻が大好きだった。
カキフライ、ラーメン、餃子にすると、すごく喜んだ。
もう父は食べられないのだと思うと、父の好物はもう作れそうもなかった。
しかし四十九日や月命日には、父の好きなものを供えたいという気持ちにもなった。
「もう食べられなくて悲しい」と思うのではなく、「一緒に食べられたら良かったね」と思うようにした。
そして母が美味しいと食べてくれるのだから、やっぱり作ってよかったと思う。
そんな母も最近は「美味しいと」いうことはない。
父の好物を作ると、父と母と2人で「美味しい」と声をあげていたことを思い出す。
今でも父のことを思うと、複雑な気持ちになってしまう。
後悔や申し訳なさ、悲しみがまだ消えない。
これでは父も気がかりだろう。
そう思い、思い出すときはなるべく楽しい気持ちでいるように頑張ってみる。
ほとんどの人がいつかは親と死別する。
誰もが通る道なのだから。
そう自分に言い聞かせてみる。
それでも寂しさが消えることはない。
でもいつかは笑顔で思い出せるように。
笑顔でいられるように。