シャワーを終え、風呂場のドアを開けると、洗面所に母がいた。
洗面所でおしっこしてしまったらしい。
私が急いで服を着ているあいだに、母は洗面台に片足をつっこんで洗いだし、転倒してしまった。
ケガはなく、ほっとした。
しかし、片足を洗面台につっこんで洗うとは、母の底力が怖い。
外に出るときは車イス。
家の中でも、ふらふら、小またで足を擦って歩いているのに。
洗面台で足を洗おうという、バイタリティーもすごい。
体力に自信があり、ちょっとムチャをしてしまう、そんな昔の母を思い出す。
昔は孫相手に逆上がりをして見せて自慢していた。
まだそんな底力があったことは頼もしいが、ひとつ間違えば大ケガをしかねない。
なるべく気をつけて見まもるようにしているのだが。
シングル介護の難しさ。