靴がない
この頃何も出来ない。
やる気がでない。
寝てるか叫んでいるかの母とのふたり暮らし。
精神的に疲れてしまったようだ。
外出は日用品の買い物と母の通院と自分の通院。
それも、私にとってはかなりの負担なのだが、人に触れ世間に触れる数少ない機会た。
嫌なことも起きれば、楽しいことも起きる。
先日姉の車で、母を病院に連れて行った時のこと。
病院について、母を車イスに移そうとしたときに、姉が「あれ、靴はいてない」
片足だけ履いていない、探してもない。
駐車場で母を車に乗せたときに、脱げてしまったらしい。
車が走り去った後に、靴が片方残っていたと思うと可笑しいが…。
春用の靴は一足しかない。
見つからなかったら、買わないとだ。
帰るまでそこに置いてあるだろうか?
誰かが隅にでも避けておいてくれているだろうか?
帰りながらちょっとドキドキしながら、やっぱり可笑しかった。
家に近づくと、姉が「あった」。
駐車場のポールに寄せて置かれてあった。
買わずに済んで良かったというい気持ちと、隅に寄せておいていてくれた方に感謝の気持ち。
やっぱり珍道中に笑えた。
たった1足の靴でこんなに笑えるのは家族といるからだろうか。
「家族って大変なことも多いけど、それでも家族っていいなぁ」そんな風に思えた出来事だった。