家には仏壇がない。
父の机に、何枚かの写真と、お水、花、生前父が好きだったのも等を並べている。
父がなくなった当時は、認知症の母がまだ壁づたいで歩けていたので、ローソクやお線香に火はつけないで、食事の度にお線香を2本ずつ火をつけずに供えることにした。
仏教や信仰とはほぼ無関係で育ってきた。
しかし初七日、四十九日などは、ネットでいろいろ調べて、できる範囲で供養した。
お供えにもいろいろ意味があることを知ると、今のやり方でいいのか、すこし迷いが生まれてきた。
そんな時に仏具店で電池式のローソクとお線香を見た。
そういう物があるのは知っていた。
でもなんだかおままごとみたいでしっくりこないでいた。
多分、父もそう言うだろう。
だが、もやもや考えているよりと思って、思いきって買ってみた。
ご飯など温かい物を供えている時は、湯気で本当に火がついているように見えるし、思ったより良い感じだ。
何よりオレンジ色が温かく感じられる。
何だかほっとした気分になった。