夜中、母が私の名前を呼ぶ声で目が覚めた。
大声ではないが、さけんでる。
急いで母の部屋に行く。
私の顔をみて、なきだす母。
「どこいってたの?」「私がそんなに邪魔」「 そんなに悪いことしたの」
なだめて、暖かいむぎ茶を飲ませても治まらない。
何とかなだめて横になりそうなったら、今度はてんかんの発作。
何とか仰向けに寝かせて、部屋の電気を消したとき、父が「 お疲れさまでした」と言った。
少し驚いた。
こういう時、 だいたい父は無関心に近い態度で寝てしまっているのだが。
夜中、つらそうに大泣きをする母の姿に、 父にも感じるものがあったのだろうか。
父のその一言に、ふと気持ちが軽くなった。
父にももっと優しくしようと思った。