「認知症は叫んだり暴れたりしない。それは別の病気だ」
少し前テレビで認知症の専門医がそう話していました。
「だったら家の母はどうなの?」そう思わずにはいられません。
叫び始めたのは、てんかんと診断されたころだったので、てんかんと関係があるのかと思っていましたが、通院先の先生には関係ないと言われました。
その後は、叫ぶのは認知症の周辺症状だと思っていました。
しかし訪問診療の精神科の先生も「認知症で叫ぶ人はあまりいない」と首をかしげます。
母は、もともと心配性で不安が強い人です。
認知症になり、自分の今おかれている状況もわからず、さらに幻覚、妄想と現実の区別もつかず、体もあまり動かせず…。
そんな中で叫ぶしか出来ないのでしょう。
そう思うと何とかしてあげたいと思います。
声をかけたり、体をさすったり、手を握ったり。
いろいろ試してみますが、効果がある時もあればない時もあります。
起きているほとんどの間、母は声をあげます。
夜中でも…。
毎日のことなので、自分が疲れていたり調子が良くないときは、母の叫び声がつらく感じられ、母をなだめる余裕がなくなることもあります。
イライラした態度をとらないだけで精一杯になることも…。
先日も夜の12時過ぎても声をあげて、なかなか寝つかないので頓服の薬を飲ませることにしました。
布団の上に起こし、叫んでいる口に薬を入れます。
小さく半錠に割られてるので、口の奥に入れようとしたら、強く指を噛まれました。
「痛っ!」
それを聞いて母が笑い始めました。
状況はわかってないのだと思います。
多分私のかん高い声が面白かったのでしょう。
私も可笑しくなって、つられて笑っちゃいました。
夜中にふたりでケラケラ声を出して笑いました。
幸せな気分になりました。
認知症でわからなくなってしまった母と一緒に笑えるなんて😊。
疲れも嫌なこともいっぺんに吹き飛びました。