プチひきこもりの、介護日記

両親介護 認知症 シングル 50代 プチひきこもり

朝早くに、気配をかんじて目が覚めた。

母が玄関にいて、何やらバッチイ物を触ってる。

「何やってるの?」つい、言葉が出てしまった。

途端に母が不機嫌になる。

「何やってるの?」は禁句だ。

自分の行動を非難したり否定しているように感じられるのだろう。

この頃、この言葉で母は怒りのスイッチが入ってしまうようになった。

最近、ちょっと母が怒るようになった。

「テレビ台の隅で喧嘩してる。」「京都の家の話をしてる。」

もちろん喧嘩してる小さな人などいないし、京都に家などない。

それでも、エスカレートしないよう、なんとなく話を合わせていた。

「ちょっと下におりて、誰かに話を聞いてくる。」と玄関に向かおうとする。

「もう夜だから下には誰もいないから、明日にしようか。一緒に行くから。」そうなだめた。

母のスイッチが入った。

「薄情だ」と私に怒りだし、父には「長いことお世話になりましたが、出ていきます。」

昔から、何かあると出ていく的なことを口にすることはあった。

母も怒りながらも、苦しいだろうと思うと、見ていてつらい。

「ごめんね」と、謝りたい気分になる。

私のひざに顔をうずめて、しばらくして顔をあげると謝るように手を合わせて泣いている。

「大丈夫だよ。心配ないよ。」

心の中でもおなじ言葉を繰り返す。

認知症といっても、今の母は、体調や周りの状況によって症状の表れかたに、かなりの差がある。

その時その時の、目の前の母を大事にしたい。