母はここ何年か、食べたり食べられなかったりを繰り返しています。
そもそもレビー小体型認知症は、体調に波があります。
「調子が良いときに期待すると、悪くなったら落ち込むから期待しない方がいい。もう年なんだから、食べられればラッキー位におもってればいい。」と、姉は言います。
確かにそうですが、食べられればやっぱり嬉しくなり、食べられないと気になってしまいます。
母が目を覚ましたら食事にしますが、食べられるかは試してみないとわかりません。
座椅子に座らせると口を開けてくれるときもあります。
口を開けないときも、「お母さん」と呼びかけて「はい」と答えた瞬間に、口に湯むきしたトマトを入れられれば食べ始めることはできます。
何度呼びかけても口を全く開けてくれず、あきらめて食事を後にすることも時々あります。
食べはじめても、途中でとまってしまうことも…。
食べ物を口に入れたまま、口をしっかり閉じてしまうので、どうにもできません。
何とか歯のすき間に指を入れられるときは、食べ物を左の奥歯に移動させます。
そうするとゆっくりと口を動かし始めます。
それでもダメなら、薄く切ったリンゴを左の奥歯に当たる位置に置くと噛み始めます。
口の中に指を入れられるのですから、母はいい気持ちではないでしょうが、食べてもらうためにいろいろと試します。
反応のない母に何度も呼びかけたり、口の中に指を入れたり。
そこまでして食べさせることが、母のためになっているのかと悩むこともあります。
食べなくなると弱ってしまい、もう食べられなくなってしまうのではないかという不安があり、母にはちょっとがんばってもらっています。
でも食べ始めれば、自分から口を開けるのだから、母には食べる意思はあるのだと思います。
「食べたいけど、時々食べ方かわからなくなってしまう」、そんな感じがします。
表情も変わらないので、美味しい美味しくないもわからなく食べているような感じです。
でもよく口を開けてくれるときは、美味しいんだと思います。
数の子を食べたら「これ美味しい」
そんな時は私も嬉しくなります。
ちょっと大変なこともあるけど、口から食べれらることは幸せだと思います。