プチひきこもりの、介護日記

両親介護 認知症 シングル 50代 プチひきこもり

やっと言えた「ありがとう」

最近は母に「ありがとう」と声にして伝えるようにしています。

離れて暮らしている姉は、以前から両親に「ありがとう」「お父さんお母さんのおかげだよ」と、ことあるごとに言っていましたが、私には出来ませんでした。

ずっと一緒に暮らしているせいもありますが、私が摂食障害、潔癖性になってからは、両親との関係は複雑なものになっしまっていました。

父の入院中も姉は「ありがとう」と度々口にしていました。

私は父が「もしかして退院できないのかも知れない」と気づいてしまうのではないかと気が気でありませんでした。

そう思って、私はなかなか「ありがとう」とは言えませんでした。

そのかわり、「退院したら髪の毛切ろうね」とか、退院したらの話をして、「絶対治って退院できるからと」心の中で伝えていました。

父が亡くなってからは、思いっきり心から「ありがとう」と何度も伝えています。

そんなことがあったからか、母には「ありがとう」を伝えるようになりました。

最初は気恥ずかしさもありましたが、母とのふたり暮らし、誰が聞いて訳でもありません。

母も認知症でわかっていません。

認知症になってわからないからこそ、伝えられるのでしょう。

皮肉な感じですが…。

ある日、いつものように「ありがとう」と母を抱きしめました。

すると母が「ありがとう」

驚きましたが、こちらの言葉を繰り返してるのかなと思いました。

すると続けて「こんなに良くしてもらって」

以前の母の雰囲気が呼び起こされます。

まれに一瞬、私の言葉が母に届くことがあります。

「こちらこそありがとう。お母さんのおかげだよ」そう言って、母を抱きしめました。