プチひきこもりの、介護日記

両親介護 認知症 シングル 50代 プチひきこもり

2022-01-01から1年間の記事一覧

届くことも、届かないことも

畳や布団の上で、用を済ませるようになっていた母だったが、てんかんの薬を止めてから、ぴたりと止まった。 紙パンツにするようになり、そしてたまに「トイレ」と教えてくれる。 「トイレ」と言われて連れていくが、出ることはほとんどない。 すでにパンツが濡れ…

理想と現実

母は布を強く握りしめるようになった。 布団カバー、毛布、枕カバー、なんでも。 カーテンをつかんでは、寝ころんだままターザンのようにぶら下がっていることも。 今年で90才になる母。 体も小さくなり、腕も足もすっかり細くなった母の一体どこにそんな…

耳栓でやさしく?

寝ているときと食べているとき以外は、ほとんど叫び続けている母。 その声は時々おそろしく大きい。 なだめても、なかなか上手くいかない。 耳元でもお構い無しで叫ぶ。 始めの頃は、母の喉と体を心配していたが、今では私の耳とストレスも心配だ。 姉にすす…

わかってるのか、わかってないのか。

母はてんかんの薬をやめてから、信じられないくらいの大声で叫ぶようになった。 認知症もてんかんも混ざりあって、もう区別はつかない。 朝も夜中もなので、本人にも家族にも負担になるのだが。 てんかんの薬を飲んで、寝たようになってしまったので、姉が「…

あくまでも脇役です

苦手な先生に会うとき、姉は気合いをいれたメイクと服になる。 圧をかけるつもりらしい。 先生はパソコンのカルテと患者である母の顔しか見てないと思うのだが。 付き添いである娘の顔はまだしも、服なんて…。 私たちは脇役なのだから。 そして何故か靴下は…

ぎゅっと

少し前まで、布を結ぶのが母のブームだった。 洋服の袖、毛布、靴下、とにかく結び目をつくっていた。 今は物をぎゅっとつかむのがブームになった。 何か不安で、物を握りしめているのではないかと、少し気になる。 敷布団のカバーをぎゅっと握りしめ、その…

1日の始まり

母が叫ぶようになった。 日によっては一日中。 夜中は近所に気をつかい、何とか静かにさせようとして気持ちに余裕がなくなってしまう。 認知症とてんかんと、混ざりあって区別は難しい。 夜中、母の大声で目が覚めることもしょっちゅうだ。 朝、母の声で起こ…

初めて家族を見送った。 いつもは予防接種も痛がり、足をばたばたさせていた父。 入院中は、苦しいとも痛いもと帰りたいもと言わなかった。 つらい状況のなか、私たちを心配させたり困らせるようなことは言わなかった。 最期には間に合わなかった。 病室に横…

子守歌

母は、長いこと幼稚園に勤めていた。 いろいろなわらべ歌や童謡を知っていた。 私が大人になってから、聞き覚えのない歌を歌うことがあった。 私が子供の頃には聞いたことのない子守歌だった。 お父さんが寝ていて、娘の私がお父さんの眼鏡をのぞきこんでい…

書き初め

ここ数年書き初めをしていたが、今年は両親ともに書けないので、代わりに私が書いた。 私が書いていると、母が横にきてのぞいているので、母に筆を持たせてみた。 母は迷いなく、半紙に力強く筆をおろした。 何を書くのかと思って見ていたら、筆をおろしたま…

今年のお正月は控え目にお祝いをした。 何年も前から、お雑煮のお餅はやめている。 軽く潰したご飯を一口大に握って焼いて、お餅の代わりにしている。 飲み込む力、噛む力が衰えてくるので、食べるのが難しいものも増えてくる。 小さく切ったり、とろみをつ…