プチひきこもりの、介護日記

両親介護 認知症 シングル 50代 プチひきこもり

届くことも、届かないことも

畳や布団の上で、用を済ませるようになっていた母だったが、てんかんの薬を止めてから、ぴたりと止まった。

紙パンツにするようになり、そしてたまに「トイレ」と教えてくれる。

「トイレ」と言われて連れていくが、出ることはほとんどない。

すでにパンツが濡れていることが多い。

トイレを我慢した感覚が残っているのか、パンツが濡れている感覚なのか、「トイレ」と訴える。

もう歩けなくなってしまった母、リハビリのつもりでトイレまで支えて歩くのもいいかなと思うのだが。

5分も開けずに「トイレ」、一晩で5回もトイレとなると話は違ってくる。

「さっきも行ったよ」と思うのだが。

トイレに行きたいのを我慢させるのはかわいそうで出来ない。

ふたりで、よちよちトイレまで。

「ついでに母の手を洗えるし」と思って頑張ってみる。

便座に座ると今度は大声で叫ぶ。

これは勘弁してほしいと思うのだが。

叫んでいる間も、私の手をしっかり握っている。

多分不安なのだろう。

「大丈夫、大丈夫だよ」声をかける。

1日何度も繰り返す言葉「大丈夫だよ」

母に届くことも届かないことも。

それでも何度も繰り返す。

「大丈夫、大丈夫だよ」