横になって過ごす時間が増えてくると、やはり体重がかかる所の皮膚が変色してくる。
床ずれになったら大変と、なるべく布団の上で横になっていて欲しいと思うが、なかなか上手くいかない。
夜寝る前に、自分の腰の痛みを気にしながら何とか母を布団の上に寝かせる。
しばらくして母の部屋をのぞくと、もう布団から身体を半分はみ出して寝ている。
さっきの苦労は何だったのだろう、そんな気分。
でもまだ自分で身体を動かせる力が残っているのだと、前向きに思うようにしている。
ところが何かの拍子に変な具合いにうつ伏せになってしまうと、母は自分では直せない。
夜中に様子を見に行くとうつ伏せに寝ていて、畳に頬をこすりつけたのだろう、皮がむけていた。
もっと早く気づいたらと、母に申し訳なく思った。
いつもなら大声で叫ぶ母が、なぜかこのときは叫ばなかった。
1人で外に出て行ってしまったり、火を使ってしまうような心配はもうなくなったが、それでもまだ目がはなせない。